重松清の小説「流星ワゴン」の感想レビュー/TBSでドラマ化

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TBSでドラマ化される重松清さん原作の小説、流星ワゴン。今年は何の本を読もうかなぁと個人的に色々物色していたのですが、結果的にこの流星ワゴンが2015年1発目の小説になりました。

もともと気にはなっていた小説ではあるんですが、まぁTBSでドラマ化されるということもあってそれをキッカケに本を手にとったという、ありふれた動機でございます。半日ほどで読了したので、その感想レビューを書いてみたいと思います。

 

泣けると評判の感動作・重松清の小説「流星ワゴン」の感想レビュー

流星ワゴン (講談社文庫)

人間がその生涯を終えるとき、多くの人が後悔するのは「やるべきことを、やらなかったこと」だそうです。もっと、ああしておけばよかった、もっと挑戦してみればよかった、逃げずに立ち向かえばよかった…。しかもその内容は家族関係であれば尚更、その後悔の度合いが強くなるという話を聞いたことがあります。まさに、この流星ワゴンに登場する主人公の話です。

自分が生涯を終えることを悟った時、家族との確執を残してこの世を去っていくのがどれほどの後悔があるのか。その後悔をやり直すことができたら、何をするだろうか?そんなことを考えさせられる作品だったかなぁと思います。「親の心子知らず」とは言いますが、流星ワゴンの場合、親であり子でもある人間を主人公にしたので、それが親子関係というものにより深みを持たせ、示唆に富んでいるのも魅力でした。

同じ年齢の親と子がそこに存在していたら、あの大切な日に戻ることができたら、親が子に対し、子が親に対して思っていたことが知れたら?という一種のファンタジーを作中に作ることで、読み手一人ひとりが自身を振り返って想像を膨らませる。これが作者から提示されたテーマの一つだった気がします。

 

流星ワゴンが心に響いた人、響かなかった人の違い

amazonのレビューでも、他のところでも「感動作」、「泣ける」という言葉をチラホラ見た一方で、「え、これが泣けるの?」というちょっと冷めた印象を持ってしまった人など、読了後の感想は様々なようです。私の場合、泣けるというよりも、「心に突き刺さる」と言いましょうか、決して楽しい気分で読んだわけではなく、いずれ自分の身にも起こりそうなリアルな話を見ているという感じでした。

流星ワゴンを読んだ人が、感動したとかしないとか両極端に2極化してしまう理由は、主人公と同じ境遇にあるかどうかだと思います。主人公の永田一雄38歳、妻と一人の息子をもつ父という境遇に似ている人や、同年代の人にとっては流星ワゴンは相当心に刺さったはずです。逆に、20代前半の人(特に女性)や中高生、独身の人にとっては、主人公と自分が重ね合わせられる部分が少ないので、感じる所があまりなかったのかな、という印象です。

 

同年代の人にとっては他人事じゃない「流星ワゴン」

作中、妻との関係や一人息子との関係がリアルに描写され、架空の物語では片付けられないほど自分の境遇に重ねあわせてしまう部分が同年代にはあったはずです(私は同年代じゃないけど)。例えば、妻との会話で「俺は何でもいいよ、お前に任せる」という何気ない一言、息子を元気付けようとして追い詰めてしまった「がんばれ」の一言、そして父親との何とも言えない距離感、過去の確執…。

いつから自分たちは崩壊の道へ辿ったのか?現代の核家族では、決して架空の物語では片付けられないリアルさがそこにはあります。これって女性の方にはあまりピンと来ないかもしれません。しかし、30代後半~40代前半の年代、子供を持つ父親という境遇にある男性の方にとっては、これはかなりリアルな現実の一コマです。いや、本当に。こういう細かい境遇にリアルさを感じられたがどうかがで、流星ワゴンに対する印象が様変わりするんだと思います。

 

流星ワゴンとプロポーズ大作戦

2007年だったと思いますが、フジテレビの月9ドラマで、山下智久さんや長澤まさみさんが出演していたドラマ、「プロポーズ大作戦」と似ているなぁと思いながら読み進めました。あれは「恋愛」というテーマで過去に戻ってやり直すという作品でしたが、流星ワゴンは家族、親子、家庭といった、恋愛よりももう少し大きな枠で人生をやり直すストーリーです。家族の中には主人公と妻の関係も含まれますが、それは後悔の中の一つであって、メインではありません。

 

ドラマ・流星ワゴン

ドラマとしては半沢直樹と同じスタッフが制作するということで、女性色ではなく男性色がより濃い作品になりそうです。半沢直樹の場合は、連ドラヒットのカギを握る「女性色」を一切排除したことで「ヒットしないだろうと思っていた」なんていうスタッフのコメントがありましたが、今回の場合はどうでしょうね。

原作の魅力はやはり「男性色」にあると思いますので、このまま原作の魅力を引き継いでくれればいいな、と個人的には思います。それがヒットに繋がるかどうかは知らないけど!

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