ナポレオンの村と限界集落株式会社:同じテーマの2作品の違い

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TBSで放送されるドラマ、ナポレオンの村の原作にあたる、「ローマ法王に米を食べさせた男」を読みました。2015年の2月ごろにNHKで放送されていた限界集落株式会社と非常にストーリーが似ています。

と、いうかテーマそのものはほとんど同じです。2015年に入って農業と過疎化、限界集落地域の救済がテーマになったドラマが立て続けに放送されるというのも、今の時代背景をよく表しているなぁと思います。

 

 

21世紀の現代的農業と町おこし:限界集落株式会社とナポレオンの村

限界集落株式会社 (小学館文庫)

限界集落株式会社は実在のモデルを題材に小説化したものです。実在のモデルになった原案をもとに小説化し、それをさらにドラマ化したものが限界集落株式会社です。登場人物とか物語に出てくる止村(とどめむら)の地域背景なんかも架空の設定だったと思います。

ローマ法王に米を食べさせた男 過疎の村を救ったスーパー公務員は何をしたか? (講談社+α新書)

一方、ナポレオンの村の原作にあたる「ローマ法王に米を食べさせた男」は小説ではなく、ビジネス本の要素が非常に強い体験記。つまり、実話でその事柄に関わった張本人が記した本です。内容も、いろいろな施策の過程、苦悩、工夫はもちろん、会議での一言一言は全部実話です。

株式会社設立のときに地元農家から大反対に遭い著者と農家との睨み合いの内容や、それをどう切り抜けたかの内容も実話ですからリアルというより、生々しい。

具体的な農業の取り組み内容→ ナポレオンの村の原作読了:簡易あらすじ

 

限界集落株式会社とナポレオンの村の目指す所はほとんど同じ

両方の原作を読まれた方、あるいはドラマをご覧になられた方は気付いたと思いますが、2作品とも目指す所は同じです。農業を使った地域振興と限界集落、過疎化の解消。そして経済的な充実、ヒト・モノ・カネの流通を盛んにし、廃村や役所からの切り捨てを免れるために必死です。

限界集落は日本にたくさんある現代問題の一つですよね。社会的背景と注目もあって、今回放送される「ナポレオンの村」も以前同様、注目度が高いのではないかと思います。

 

限界集落株式会社の概要

以前書いた、限界集落株式会社の原作を読んだ感想、限界集落株式会社の止村のモデルについて読み返していくと、舞台は山梨県南部。実在のモデルは千葉県の香取市です。

限界集落株式会社では、農作放棄地が重要な要素になっていて、現代型の経営システムを導入する経営コンサルタントが中心に放棄地を一括管理。生産システムから販売までを自社でとり行い、地元住民や都市部から移り住んできた若者たちと協力して農業ビジネスを軌道に乗せるというストーリーでした。

特に何も考えずに「限界集落株式会社の止村のモデルとロケ地情報」の記事を書いたのですが、結構アクセス数が多くてビックリしました。やっぱりこういうのは今注目度が高いんだなぁと。

大学でも農業を技術的、生産、マーケティング、地域社会、政策学、開発経済学、国際協力など細かく分ければきりがありません。本当に色んな角度、ジャンルから研究されていますし、モデルになった成功例は露出度、注目度ともにグッと上がるのでしょうね。

 

ナポレオンの村:ローマ法王に米を食べさせた男の概要

ナポレオンの村の方は、実話の物語なのでもっとシビアです。

限界集落はもちろん、高齢化と過疎化が進み、しかも農業だけでは食べていけないという地域柄。年間の平均農業所得が87万円という具体的な数字まで出ています。全体を通して、JAや役所に依存しない流通体制の確立を目指します。

大目標に向かってどんな取り組みを行ってきたのかも一つ一つ詳しく書かれていて、同じ農業従事者や研究者、地域振興に関係する公務員なんかはこちらのほうが参考になると思います。

モデルになっている舞台は石川県能登の羽咋市神子原地区。ドラマでは東京都の西にある星河市(架空)の神楽村です。

→ ナポレオンの村の神楽村実在モデルは石川県の羽咋市神子原

 

儲かる農業、JAを通さない販路を確保、常識を打ち破る農業ビジネス

私は農業従事者ではありませんが、知り合いに何人か関係者がいます。その人たちはみな、JAを通さない販路確保の重要性をしきりに訴えていました。ネットで直販したり、直売所で売ったり、米にしろ野菜にしろ、儲かる農業を目指して苦労されています。

私は農業素人ですが、農業従事者はこの本を読んでおいて損はしないだろうと思います。それぐらい、たくさんの学びがあります。

当然、農業従事者ではない人にも学びは多いですよ。個人的に、いつでも読み返せるように本棚には入れておきたいぐらい学びが多かったです。

 

可能性の無視は最大の悪策

詳しい感想は下記記事で書いていますが、最も印象深かったのが「可能性の無視は最大の悪策」であるということ。どんな無茶でも、どんな突拍子もない事でも、1%でも、0.1%でも可能性があるならやってみる。失敗したらまた別のことをやればいいし、とにかくやってみることの重要性を学べます。

なんせ、ローマ法王に直筆の手紙を書いて、献上してしまう人ですから、パワフルさはとんでもないレベル。アメリカに行ってNASAと取引したり、ゴルバチョフに手紙書いたり、本物のロケットを買って町おこししたりするんですから、行動力のレベルは段違いです。

何より、著者が仕事そのものをすごく楽しんでいる。大変さはめちゃくちゃ伝わってくるんですが、それ以上に楽しそうで、充実した日々を送っていたんだなぁというのが強烈に印象に残りました。

→ ナポレオンの村原作:ローマ法王に米を食べさせた男を読んだ感想

By: na0905

農業従事者にとっては具体的なノウハウはもちろんのこと、「可能性を探し出す→やってみる」という思考回路に触れることが最大の目的になるかと思います。

特に地方の山間地域、昔ながらの風習を大切にする場所だと色んなしがらみがあって、どう考えても現代には合わない決まり事、もしくは制度疲弊を起こしているのに以前のしきたりを忠実に守ってしまい、現状を打破するのが難しかったりするはず。

 

農村地域によく見られる変化を嫌い行動を起こさない理由ばかり探す消極的な姿勢

作中でも、実際にあった村民や農家からの変化を嫌う反対、役所依存、責任の所在の明確化、責任逃れ、挑戦しようとしないなど、年を取れば皆腰が重くなるさまが忠実に、リアルに描かれています。それをどのように乗り越えていったのかもきちんと書かれています。

出来るできない、損か得か、白か黒かではなくていろんな可能性と選択肢を探しだし、ベストな物を選択、行動する行動習慣に触れるのは結構大事なことなのかな、と。

私は素人ですが、守るべきところと打破すべき所をしっかり区別しておかないとなかなか難しいんだろうな、と2作品を読んでみて実際に感じました。

私の場合、こういう本を読むと意識的に行動しようと思うんですが、どうもすぐに忘れてしまって、ふと気づいたら小さくまとまっていることがすごく多い。

だからもっともっと色んな可能性を探しだして、好きなことを目一杯挑戦しようと再認識。

だってそっちのほうが絶対人生楽しいからね~!

 

 

 

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