世界中が注目したスコットランドの独立を巡る国民投票が9月19日に行われ、予想外の大差で否決となった。事前のニュース報道では独立派の勢いを伝えるものが多く、一進一退の情勢であることが伝えられていたが、結果は反対派が55%、賛成派45%という事前の報道とは違い差がついた。
予め断っておくが、私は経済の専門家ではないし、国際情勢にあかるい訳でもない。ただの一般庶民だ。ただ、このニュースに関しては関心を持って見ていたので、簡単な考察をしてみようと思う。
スコットランド独立の背景
まずイギリスはイングランド、北アイルランド、ウェールズ、スコットランドと独立した地域の集合体で構成されており、民族的にも歴史的にも、もとは別々で独自の文化を築いていた。サッカーやラグビーに親しみがある人は知っているだろうが、今でもこのようなスポーツではそれぞれの地域が代表チームとして活動しており、イギリス代表は存在しない。国単位での参加しか認めていないオリンピックだけはイギリス代表として活動しているが、2012年のロンドン五輪ではサッカー競技で大会の規定上やむなく「イギリス代表」の急造チームを作って参加したものの世間の注目度は低く、メダル獲得や成績云々は二の次であった。
300年前にスコットランドはイギリスに併合され、それ以来イギリス国家の一部として機能してきたスコットランド。経済的にはロンドンなどの都市部と格差が広まっていき、都市部で蓄積された借金は国民全体のものとして押し付けられ、さらには核施設などの厄介者扱いされるものはスコットランドに押し付けられるなど、優秀な民族という自覚がありながら不遇の時代を過ごしてきたとか。300年以上の不満や鬱憤が広がり、ここ数年で一気に独立への動きを加速させてきた。