肉体労働者にとって糖質制限は是か非か?
糖質制限が必要になった背景には2つの理由があります。一つは血糖値の上昇を防ぐこと、二つ目が肥満の防止です。私が糖質制限の指導を受けた時にも、あるいはほかの書籍を読んでも、激しい運動を行うアスリートや肉体労働にとっては糖質はすぐにエネルギーとして消化してしまうので、問題はないとレクチャーされています。
実際に糖質制限を行ってみても、肉体を激しく動かす必要のある人が糖質制限を行うと非常に危険ではないかと思うことが多々ありました。しかし、著者の主張はこの点については一切触れていません。
砂糖や米があったから長時間労働できたのか?砂糖や米のために長時間労働したのか?
第2章の読者の体験記の中に、「農業をやっている両親は米を食べなければ仕事なんてできないと言っている」というものがありました。農業というと肉体労働に近い仕事です。私の経験上、両親のこの主張は正しいと思います。
また、明暦の大火で江戸に集結した大工、イギリスで長時間の工場労働をしていた男性、そして主婦について紹介した部分では、彼らのことを砂糖や米を買うために奴隷となったと記述されています。
私の解釈は真逆で、米や砂糖を摂取していたから長時間の労働が可能になったのではないか、と思っています。スポーツ選手も、試合前にバナナを食べることは有名ですあれは血糖値が上昇することで、即効性がありなおかつ運動能力が向上するからです。そしてそのエネルギーは短時間で消費しきってしまいます。だからスポーツ選手は糖質をあえて摂取したり、甘いもの好きな人が多く、そして糖質過多でも問題ないのです。
肉体労働者が糖質を制限したらどうなるのか?
私の経験では糖質制限によって体を動かすことのパフォーマンスは明らかに低下しました。この肉体労働者や激しい運動を行う人が糖質制限を行うことで、パフォーマンスや筋肉の活動などの変化を科学的に証明しないと、私の主張が正しいのか、あるいは変化がないのかは証明できません。
逆にいうと、このような実験結果で証明しなければ肉体労働者も糖質制限を行ったほうが良いとも言い切れません。子供や成長期の青少年にとっての糖質制限の是非もはっきりしないため、この点に関しては盲目的に糖質制限を信じ込むのは危険ではないかと思っています。
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