「炭水化物が人類を滅ぼす」あらすじ要約と感想

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2013年の10月に発売されて以降、Amazonランキングでも上位に位置し、社会的な注目を集めた、夏井睦 氏の「炭水化物が人類を滅ぼす」という本。この本は糖質制限の可能性のみならず、人類の進化と生物学的な観点から糖質、炭水化物、といった栄養素との関連性を書いた本で、新書としては大ボリュームの330ページ以上にわたる本です。

Amazonのページに行くとレビューは142件も寄せられ、その多くが高評価を得ています。これは糖質制限経験者としても見逃せない本だと感じ、さっそく取り寄せて読んでみました。この本の要約とあらすじになぞりながら感想を述べてみましょう。

 

炭水化物が人類を滅ぼすのあらすじと感想

炭水化物が人類を滅ぼす~糖質制限からみた生命の科学~ (光文社新書)

この本は全部で第1章~第8章までで構成され、あとがきを含めると339ページにも及ぶ長編。

目次は以下のようになっています。(Amazonより引用)

 

I やってみてわかった糖質制限の威力

II 糖質制限の基礎知識

III 糖質制限にかかわるさまざまな問題

IV 糖質セイゲニスト、かく語りき

V 糖質制限すると見えてくるもの

(1) 糖質は栄養素なのか?
(2) こんなにおかしな糖尿病治療
(3) 穀物生産と、家畜と、糖質問題
(4) 食事と糖質、労働と糖質の関係

VI 浮かび上がる「食物のカロリー数」をめぐる諸問題

(1) 世にもあやしい「カロリー」という概念
(2) 哺乳類はどのようにエネルギーを得ているのか
(3) 低栄養状態で生きる動物のナゾ
(4) 「母乳と細菌」の鉄壁の関係
(5) 哺乳類はなぜ、哺乳をはじめたのか
(6) 皮膚腺がつないだ命の連鎖

VII ブドウ糖から見えてくる生命体の進化と諸相

(1) ブドウ糖――じつは効率の悪い栄養
(2) エネルギー源の変化は地球の進化とともに

VIII 糖質から見た農耕の起源

(1) 穀物とは何か
(2) 定住生活という大きなハードル
(3) 肉食・雑食から穀物中心の食へ
(4) 穀物栽培への強烈なインセンティブ
(5) 穀物に支配された人間たち

あとがき

 

まず糖質制限経験者としての感想としては、納得できる部分はすごく納得できます。しかし、これはちょっと極端ではないか?これは矛盾しているのではないか?と突っ込みを入れたくなる箇所も多くあり、それがまたこの本の魅力を引き立てているようにも思います。

全体的には糖質制限に関する記述は前半部分、第4章まででほぼ事が足りるようになっており、その後は人類の歴史と進化、あるいは生物学的な観点からの展望が多くを占めています。糖質制限に興味があってこの本を読まれた方は、後半部分は少し眠たかったのではないでしょうか。

 

糖質制限経験者からみた「炭水化物が人類を滅ぼす」の感想

繰り返しになりますが、納得できる部分とそうでない部分と両方あります。しかも、その落差が大きく、「そうそう!」と頷ける部分があれば「それは違うんじゃないか!?」と疑問に思う箇所の両方があります。具体的には、私は肉体労働者が糖質制限を行うのは危険ではないかと思っていること、そして炭水化物は腹持ちがいいと記述があるのに、後にそれを自分で否定しているなど、主張が二転三転していることが気になりました。

詳しくは別記事にて反論を書いていますので、そちらもあわせてご覧くださいませ。

 

糖尿病学会を挑発

糖質制限のネガティブキャンペーンについての記述は非常に参考になります。医療や医師のいうことをそのまま信じているとバカを見るというのがよく理解できます。もちろん、相手には相手の主張があるでしょうから、一方のみを安易に信じ込むのは論外ですけど、こういう世界の話はやはり面白いものです。

学会や医療の世界に身を置く人間が、別分野とはいえその分野の権威をあそこまで挑発するのは読んでいて少しヒヤヒヤしたほど。ほかにもカロリーの考え方を根底から否定するなど、何かと攻撃的でチャレンジャーな著者の性格が垣間見れます。

 

糖質制限は是か非か?

ちなみに私は四か月間の糖質制限を実践し、中性脂肪がさがりました。ダイエット目的ではなかったため、糖質制限によって減りやすい体重をキープさせるのにかなり苦労したほどです。私の糖質制限への考え方は、「手段としては非常に有効ではあるが、目的になっては意味がない」ということで現在は落ち着いています。

つまり、一時的に問題を是正し、理想の状態に近づける手段としての糖質制限は有効である。しかし、理想の状態が手に入れは極端な負荷はかけず糖質も多少であれば取り入れても問題ないという考えです。糖質制限はあくまで一時的で、一生続けるものではないと思っています。

私だけかもしれませんが、糖質制限によって体力が落ちたと感じることはあっても、スタミナがついたと感じたことが一度もないからです。医療や健康の分野では機能の常識が今日覆ることも往々にしてあるので、何事も盲目的に信じ込まないのも自己防衛の一つです。自分の体と相談しつつ、検査の結果も参考にしつつ、そして自分独自の健康法を編み出すのが私は最強だと思っています。

炭水化物が人類を滅ぼすという本は人間や人類、生物と糖質との関わり合いを深く考察した良書であることに違いはありません。炭水化物や糖質といったものに対する考え方は一変するでしょうし、一つの考え方を頭にストックしておくという意味でも、非常に参考になる本です。噂通り、非常に面白い本でした!

 

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