主な松下村塾出身の門下生・志士たち
松下村塾出身の塾生たちを一覧にまとめました。これらはごく一部の塾生ですが、比較的知名度が高く幕末から維新期に活躍した面々を選びました。
名前 | 入塾年と 当時の年齢 | 後の活躍 |
久坂玄瑞 | 1857年 17歳 | 詳細記事:「久坂玄瑞の生涯」を参照のこと |
高杉晋作 | 1858年 19歳 | 奇兵隊を結成。軍事的才能に溢れ、長州藩を何度も救うが、病に倒れ志半ばで病没。まさに松下村塾が生んだ革命風雲児。司馬遼太郎氏によると、乱世の時代でなければ使いものにならない才能の持ち主。享年29。 |
吉田稔麿 | 1857年 16歳 | 品川弥二郎いわく、明治維新後まで生き残っていれば総理大臣になったであろうと言わしめた鋭才。松下村塾四天王の一人。池田屋事件で落命。享年24。 |
入江九一 | 1859年 22歳 | 奇兵隊の参謀を務めるが、禁門の変で落命。松下村塾四天王の一人。高杉晋作を抑えられるのは松陰か入江のどちらかしかいないとも言われた。禁門の変で槍が目を貫通し切腹。享年28。 |
伊藤博文 | 1858年 17歳 | 初代内閣総理大臣。その後も4度総理に就任するが、後にハルピンで安重根に暗殺される。享年69。 |
前原一誠 | 1858年 24歳 | 明治維新後は全税問題をめぐり新政府と対立。故郷萩に戻るも不平士族の首領となって萩の乱を起こすが敗北し、処刑された。享年43。 |
品川弥次郎 | 1858年 15歳 | 薩長同盟締結への画策、戊辰戦争における錦の御旗の制作にも関わる。軍事的な活躍が多い一方、維新後は国賊の扱いを受ける。晩年は京都で尊攘堂を創建。松陰たち勤王の志士たちの遺留品を保管している。享年58。 |
山県有朋 | 1859年 21歳 | 強面で有名。日本の近代陸軍の礎を築く。軍事行政でその才能を発揮し、第3代、第9代内閣総理大臣も務める。長州派閥の中心的人物で民衆から揶揄されることも。真相は定かでないが、赤禰武人に対して高杉晋作が後悔の念を示したのに対し、山県有朋は否定的な立場を終生とり続けた。 |
野村靖 | 1858年 16歳 | 入江九一の弟。維新後は岩倉使節団の一員として欧米を視察。その後内務大臣や逓信大臣などを歴任。遺言により松陰が眠る墓域内に埋葬。享年68。 |
赤禰武人 | 1857年 19歳 | 奇兵隊第三代総督。高杉晋作による挙兵に対立し、後に失脚し藩を脱する。その後幕府に捕らえられるが、獄内で第二次長州征伐を知り、幕府側は赤禰を尋問使として長州へ送り、戦争回避工作に出るが失敗。スパイ疑惑も重なり、裏切り者の扱いを受け捕縛されるとすぐさま斬首された。弁明を求めるも取り調べは行われず、亡骸は腹をえぐられ鳥の餌とされるなど、無残でこの上なく無念な最期を迎えた。長州を救うべく戦争を回避しようとしてきたが、受け入れられず悲運な運命を辿った。享年28。 |
杉山松介 | 1859年 21歳 | 吉田稔麿と共に池田屋事件に巻き込まれ、落命。 |
渡辺蒿蔵 | 1858年 15歳 | 長崎造船局(現三菱重工・長崎造船所)の局長。アメリカ、イギリスへの留学で西洋兵学や造船を学び帰国後に活躍。門下生の中で最も長生きした人物。昭和14年(1939年)没。享年97。 |
寺島忠三郎 | 1859年 16歳 | 八月十八日の政変で長州が京を追われるも、潜伏し政治活動に奔走。翌年の禁門の変で久坂玄瑞と刺し違えるようにして果てる。享年22。 |
山田顕義 | 1858年 14歳 | 日本法律学校、現在の日本大学を創立。禁門の変、四境戦争、戊辰戦争をはじめ維新後に各地で起きた士族反乱の鎮圧にも活躍。享年49。 |
松本鼎(かなえ) | 1858年 19歳 | 禁門の変、四境戦争に参加し箱館戦争では五稜郭攻略に尽力。維新後は和歌山県知事に就任し活躍した。享年69。 |
ここに記した面々以外にも総勢およそ90名の門下生たちがいたとされます。入塾当時の身分は武家はもちろん、医師や町人、骨董商、僧侶など実に様々です。高杉晋作が結成した奇兵隊に属した者も多く、1864年の禁門の変で戦死した者も多い。また、維新後に太政官や裁判官、県知事、教師、外交官、刑務官といった職業に就いた者もおり、松下村塾で学んだ塾生たちは幅広い分野で活躍しています。
松下村塾の門下生たちを記録した資料
塾生の数は各資料、書籍のよって数字が様々で、大体50人、多いもので90人と記されています。品川弥次郎が後に語った談話によると、塾生数は実に300人、熱心に通ったのが約30人、そのうち塾生として中心的な活動を行っていた(名前を残した)のが十数名ともいわれ、門下生の数は出典元により多少違いがあります。
※門下生、塾生に関しては主に「吉田松陰」海原徹著、「吉田松陰と塾生たち」(萩まちじゅう博物館出版委員会)が参考にされる事が多く、当記事はこれらの資料を元に作成された「松陰の妹 文と松下村塾」(三才ブックス)で掲載された「松下村塾塾生一覧」を参考にした。
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