NHK大河ドラマ、花燃ゆの第15話「塾を守れ!」のあらすじです。前回、第14話「さらば青春」の続き、放送日は4月12日。
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花燃ゆ・第15話「塾をまもれ!」のあらすじネタバレ
暴走に暴走を重ねていく寅次郎の国を思う気持ちと、寅次郎のその思いがどんどん周りの人間を振り回しては不幸に追いやっていくという、見ているだけで心を締め付けられる今回のお話。原作の小説を読んでいると、これを映像化すればどんな迫力だろうと思います。非常に見応えがあって、見ている人の心に残る話になるのではないか、と思います。
行き違うそれぞれの思い
間部詮勝暗殺をまだ諦めない寅次郎は江戸にいる高杉晋作と久坂玄瑞にも手紙を出していた。しかしながら、寅次郎のもとに届いたのは「どうか抑えて下さい」という久坂と高杉の血判が入った手紙だった。それを読んだ寅次郎は失望と怒りを隠せない。
その頃、松下村塾の塾生は小田村伊之助のもとに抗議にきていた。松下村塾を閉鎖させた張本人で松陰先生を獄につないだ小田村伊之助を憎み、入江九一、前原一誠、寺島忠三郎など数人が揃って自宅に押しかける。しかし、抗議もむなしく小田村伊之助は塾生の一歩も二歩も上を行く論法で彼らを説き伏せてしまった。血気盛んは若者の特権ながら、この中に誰一人として自分の頭で考え、藩をどのように動かせるのか正しいやり方を学ぼうとする人間がいない。
塾生に絶交を言い渡し暴走する寅次郎
日に日に寅次郎の書く手紙の内容が過激になっていく。寅次郎から届いた手紙を見て、高杉と久坂は悔しさの表情を隠せない。「なぜ行動を起こそうとしないのか?私達は志を共にした同志ではなかったか?もはや君たちとは絶交するしかない」。
幕府は批判を行うものを片っ端から捕らえて拷問にかけている情勢がある以上、寅次郎に危険が及ぶと察知した桂小五郎は、杉家の面々に寅次郎と塾生の間で行き交う手紙のやりとりをやめるよう言い渡す。そして、野山獄にいた寅次郎のす筆とすずりは藩命により取り上げられることとなった。
伊之助、文、そして寅次郎の苦悩
兄の唯一の言葉であった筆とすずりを奪ってしまったことを、どう受け入れるべきか、目の前にいても遠くを見つめる目をする兄の姿を見て文は思い悩む。そして、藩命によって獄へつなぐと嘘をついて、友人からの仕打ちに自分の行いを見返して欲しいと信じる伊之助。
塾生からの返事が一向に届かず、自分の思いが誰にも届かないことに失望する寅次郎。国を守りたい、家族を守りたい、その一心で行動を起こそうとしているのに、誰の心にも自分の思いが届かない。このとき、誰もが苦悩の渦中にいた。
伏見要駕策の悲劇と不幸の種
江戸に向かう毛利敬親を伏見で待ちぶせし、そのまま天子様のおられる京都御所へお連れして攘夷決行を願いで出る。寅次郎の掲げる壮大な計画に、塾生は皆後ずさりした。そんなことをすれば死罪になる。自分は死ぬ、家族は、お家は…。
入江九一の弟、野村靖が決行するため脱藩し京へ向かった。しかし、すぐに噂を察知した長州藩から追っ手が出され、まもなく捕らえられるだろう。当初、行動を起こしたことを知った寅次郎は歓喜の表情を見せたが、計画失敗を知ったと同時に落胆の表情に変わる。
寅次郎の一挙手一投足に周囲の人間がどんどん不幸になってゆく。野山獄へやってきた小田村伊之助には「いつも安全なところで見物ばかりしておるお前なんぞ友ではない」と言い放ち、妹の文には「ただの兄としての人生は、私の人生ではない」と漏らす。
行動を起こすことが何よりも大切だと人に説いていながら、自分はなにもしていない。行動を起こしてもしべて失敗に終わる。何もせずに時間だけが過ぎていく自分が許せない。そんな熱き寅次郎の思いは、周囲の人間にとって不幸の種でしかなくなっていく…。
伊之助と文に背中を向けた寅次郎は嗚咽を伴いながら心の声を吐露する。
「文。兄は死にたいんじゃ。僕はもう…死ぬことでしか生きられん」
>> 第16話「家族の肖像」へ続く
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