残念ながらベスト8で日本は敗退してしまったアジアカップは31日に決勝戦が行われ、55年ぶりの優勝を目指す韓国を破り、オーストラリアが初のアジア王者に輝きました。アジアサッカー連盟(AFC)に加盟してから3度目のアジアカップ挑戦で、ベスト8、準優勝といずれも日本の前に敗れて悔しい思いをしてきた彼らが地元開催の今大会で初優勝を飾りました。おめでとうオーストラリア!
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宿敵日本に敗れてきたオーストラリア、アジアカップで初優勝
オーストラリアの立場に立ってみると、2007年、2011年といずれも日本に敗れてアジアカップ制覇の夢を絶たれてきました。今大会も2位通過が決まった時点で準決勝で日本と対戦するだろうと予想していたはずでしょうが、日本がUAEにあっさりコケてしまい、日本と対戦することなく優勝にたどり着きました。対戦成績が悪い訳ではないものの、アジアカップでは負けが続いていた日本と対戦せずに済んだというのは地元オーストラリアにとってラッキーだったでしょう。
2017年ロシアで開催されるコンフェデレーションズカップの出場権獲得
アジアカップ優勝のご褒美、コンフェデレーションズカップ。いいなぁ、強豪国と真剣勝負。アジアの国々はなかなか強豪国と真剣勝負できる機会がないので、オーストラリアにとっても貴重な機会ですね。いいなぁ。
現時点(アジアカップ終了直後)ではコンフェデ出場が決まっているのは、開催国のロシア、W杯優勝のドイツ、そしてアジアカップ優勝のオーストラリアの3か国のみです。2016年にフランスで開催される欧州選手権(EURO)の優勝国と、南米コパアメリカ、北中米ゴールドカップ、そして2年後に開催される方のアフリカネーションズカップの優勝国とオセアニア王者、合計8か国が出場予定です。
中心選手のケーヒルがどこまで現役を続けられるかもわかりませんし、日本以上にボコボコにやられる可能性も…。ドイツと対戦したら5点とか6点ぐらいぶち込まれるかもしれませんが、なんとかアジア王者として頑張ってほしいものです。
ロシアW杯までの日本の強化計画とジンクス
前回の2011年アジアカップカタール大会では、大会前の準備がほとんどできず、ぶっつけ本番でグループリーグ初戦に挑み、最初はモタモタして危なっかしい戦いぶりだったものの、なんとか優勝にこぎつけました。今大会は優勝できたけど、アジアカップ前の準備すらきちんと計画できないJFAは何をやってるんだ!と批判が渦巻いたのもこの時。
その経験を踏まえ、今大会は眼帯開催の伝統のある天皇杯を12月中旬に前倒し。さらに大会前の準備も出来る限り時間を確保したにも関わらず、結果はベスト8どまりでした。準備面では今大会の方が良かったとも受け止められますが、代表チームの強化というのは一筋縄ではいきませんなぁ。
アジアカップ優勝チームはW杯で活躍できないことが多い
2000年のレバノン大会の優勝→2002年W杯ベスト16という日本の成績が唯一の例外ですが、それ以外の大会ではアジアカップ王者は直後のW杯でグループリーグ突破したことがありません。2007年大会王者のイラクに限っては2010年W杯にすら出場できていませんし、ここ最近優勝が多い日本も2006年、2014年で惨敗でした。優勝して慢心するよりも、大会で敗退して危機感を持った方が日本の場合いいのかも…しれません(そう信じよう)。
リオデジャネイロ五輪の予選は苦戦必至
年代別代表の話題になりますが、日本は直近の大会、各年代全て準々決勝敗退です。五輪の予選形式はこれまでのH&Aリーグ戦を撤廃、一国集中開催のグループリーグ→決勝T、ベスト4に勝ち上がった4か国が出場権獲得という形に変更されます。アトランタ五輪の時はこの形式でしたが、シドニー五輪から移行はずっとH&Aのリーグ戦形式でした。
GLを突破すれば、準々決勝1発勝負。それこそ天国と地獄です。この短期一極集中開催だと番狂わせが起きやすく、さらにリーグ戦形式とはまた違った戦い方が求められます。ベスト8敗退が続いている以上、リオ五輪の出場権獲得は私たち一般のサッカーファンが思っている以上にハードルが高い気がします。「サッカー日本U-23代表、6大会連続の五輪出場を逃す」なんていう事が起きるのも、心の準備をしておいた方がいいかも…(弱気)。