「「幸せをお金で買う」5つの授業 (中経出版)」という本を読みました。本のタイトルを見るとなんだか嫌らしいような、ガツガツした感じの本のように思えますが、アメリカの研究者が書いた真面目な本です。
この本はお金で幸せを買えるのかどうか?という問いではなくて、「どういうお金の使い方をすれば、幸せを最大化できるのか?」を様々な心理実験に基づいて書かれたもの。なので、お金を使い方次第では幸せが大きくもなるし、小さくもなるよっていうことが詳しく書かれています。
目次
お金で幸せは買えないんじゃない!お金の使い方次第で幸せを買うことができる
本のタイトルにある通り、幸せをお金で買うための「5つの授業」が展開されます。その5つの授業で教えることとというのが、これ。
- 経験を買う
- ご褒美にする
- 時間を買う
- 先に支払って、あとで消費する
- 他人に投資する
今までの自分がお金を使ってきたなかで、一番納得できたのが、最初の「経験を買う」というところ。この経験ってのは、留学とか自己投資とか自分磨きなんてものだけに留まらず、もっと広い意味です。
家族と過ごす大切な時間、例えば旅行、食事、レジャー、子育て。恋人や友人たちとの旅行、カフェでの会話、経験の共有…。今まで自分が使ってきたお金の中で価値があるものって、やっぱり自分だけに独占した使い方じゃなくて誰かと楽しい時間を過ごした時の方なんですよねぇ。
「○○の時間、プライスレス」って訳じゃないけど、心理学的実験でも自分の思い出や経験、体験を無くすことを想像するだけで人はすごく嫌がるんだそうです。
50万円で買った大型&薄型液晶テレビより、仲のいい友人と100円のコーヒーでバカ話する時間とか、100均で買った安いおもちゃで子供と遊ぶ時間と、どれが自分にとって本当に価値があるか?と言われれば、大抵の人は後ろ二つだと思います。
例えば、誰かと行った旅行とか、子供と過ごした何気ない公園の時間とか、家族との食事とか、何気ないものでも「なかったものにする」のは人間誰でも嫌なんです。それは逆に言うと、それだけ自分にとって価値のあるものだったってことです。
こういうお金の使い方をすることが、つまり「お金で幸せを買う方法」ってことになります。
物(物質的な豊かさ)を購入しても、あまり幸せには貢献しない
例えば、家電製品とか洋服とか、iPhoneとか、形のあるモノを買った時。実はその幸せって長続きしませんよね。むしろ、一定の割合で買ったことを後悔してしまうことだってある。いくら悩んで比較して買っても、実際使ってみたら買わなきゃよかったとか、もっと他のいいものに出会ってしまったとか、そういう経験ってあると思います。
モノを所有するときの喜びは、所有するまでが一番ピークで、その欲しかったものが自分のものになってからはどんどんその幸せが小さくなっていきます。しかもそれが例え夢のマイホームであったとしても。
モノを持つ喜びは、そのモノに対する満足度が仮に高かったとしても、人生や生活という大きな枠組みの中では、本当に小さな小さな幸せでしかないんだそうです。だから、形のある商品を買い続けても、実はその人の幸せにあんまり関係がないと言える。
確かに、こう言われてみると、思い当たる節がいくつかありますね。悩んで買ったのに、一度も着ていないお高い服とか。せっかく買ったのにホコリかぶってる家電製品とか。モノがある日常に慣れてしまうと、人間はそれだけでは満足できなくなってしまうんですよね。
実家にもあるなぁ、一回も使ってない英語の教材とか運動器具とか(笑)
確かに、モノを買う幸せよりも、経験を買う幸せの方がずっと大きいというのは納得できる。
幸せをお金で買いたければ、経験にお金を使え!
経験にお金を使うって本当に大事なんだぁと、本当に思います。しかも幸せを最大化するためのお金の使い方というと、他人と社会的に交わったり、この先何年も思い出して楽しくなれる様な経験とか、自分がなりたい姿に近づける経験とか、そういうものがいいそう。
仮に旅行に行って嫌~な思い出として残ってしまったとしても、時間が経過するに従って「今となってはあれもいい思い出」になったりする可能性がありますよね。まぁ本当に嫌な経験として、嫌なままの思い出として残るケースも稀にありますけどね(笑)
他人にお金を使うのも幸せを買う方法の一つ
アメリカの本なんで、慈善事業への寄付の話も多かったですが、寄付だけでなく家族や友人へのプレゼントでも、本人の幸せは大きくなることがわかっています。誰かのために何かを買ったり、用意したり、食事に連れていったり、そういうのでもOK。
社会的に役立つような寄付をすることは、自分も幸せになって自分が価値のある人間だと思わせてくれる大事なことです。しかも面白いことに、これはお金に余裕のある先進国から、その日の暮らしにすら困るアフリカの途上国でも結果は同じだったとか。
人間、誰かに認められたい、役に立ちたいという承認欲求というものが遺伝子レベルであるんですね。「世の中を良くして自分も幸福になれる「寄付」のすすめ」という本でも書かれていましたが、寄付に否定的だった日本人でもこの効果はかなり高いとありました。
お金で幸せは買えないという意見は多いけど、お金の使い方次第で幸せを買うことは出来る。お金にちょっとでも余裕があれば、ちょっと考えを改めみようかな。