大河ドラマ花燃ゆの原作小説第二巻に突入します。第13話「コレラと爆弾」のあらすじです。前回、第12話「妻は不美人」の続きで、放送日は3月29日。
目次
花燃ゆ・第13話「コレラと爆弾」のあらすじ
第13話の中心になるのはコレラという病気に翻弄される人々と、診療所を切り盛りする父、そして医学の道を捨てて松下村塾にやってきた息子の小野為八がこの話の中心になります。
全体を通してみると、通商条約を巡る幕府の動きとコレラの話がリンクしあって話が展開していきます。日本に通商条約締結を迫るアメリカの動きに翻弄される、井伊直弼を中心とした幕府内の動き。もう一つは、外国から長崎に持ち込まれて萩城下でも広がりを見せ始めた伝染病の一種、コレラに関する話題の2つです。
通商条約締結を迫られる幕府内の動揺と井伊直弼の暴挙
孝明天皇は大の異国嫌い。異人によって神州日本は汚れると信じて疑わないお人であり、天皇の側近に当たる公家たちも同じ考えだった。天皇は条約締結には大反対で、いますぐ異国を打ち払えという。そのころ井伊直弼は今は西洋諸国との戦を避けて、西洋技術を学んで軍備を整えるべし、という考えを持っていた。自身の理解者である間鍋明勝と相談し、井伊直弼は強硬策に打って出る。天皇の許しを得ることなく、条約を締結させてしまったのである。
井伊の暴挙に激怒した塾生と寅次郎は藩政府に建白書を提出。その中身は、「征夷は賊」。つまり徳川将軍を打ち払うべしという当時の世の中では過激という言葉を通り越すほどの内容であった。その建白書を読んだ藩の中枢にいた人物たちは小田村伊之助を呼び出し、伊之助は寅次郎の元へやってきて「どうか塾生のためにも軽挙は慎んで欲しい」と願い出るが、寅次郎は受け入れようとしない。
その頃江戸にいた久坂玄瑞は時勢の変化を感じ取って、藩の命令に背いて京にやってきた。文からの手紙は受け取っていたが、返事はまだ書いておらず京へやってきた高杉晋作にたしなめられていた。
屈しない心を持つことが戦である…コレラと地雷と小野為八
その頃、松下村塾では医学の道を捨てて兵学の道を志した小野為八を中心に、今で言う地雷を作っていた。今までにない全く新しい武器。兵学の分野を志した小野は実家の父に見捨てられ、父はいま1人で診療所をやりくりしている。
コレラの方は町の市で知り合ったキクと名乗る小さな女の子とコレラ(作中、コロリという名称)にかかって苦しむ母親。コレラにかかった母親は診療所で治療を受けていたが、まもなく死去。現実を受け入れられず、自宅に帰ろうとせずに居座り続けるキク。結局文がキクを松下村塾に連れてきて、富永有隣の教えを受けることになった。これから生きてい行く上で必要だろうと、読み書きを教えるためである。
キクはまもなく家族に引き取られ、杉家を発っていった。しかし、今度は診療所を切り盛りする小野為八の父がコレラに感染してしまう。知らせを受けた小野はすぐに診療所に急行し、まもなく父は最期を迎えた。明日の明け方出来上がったものを試すという、息子とその仲間が丹精込めて作った、未来を切り開く地雷を楽しみにして…。
その日の明朝、河原で大きな煙が空にむかって上がった。父が昇って行った空に向かって…。
【解説】吉田松陰をかついで河原に連れて行った部分
地雷実験のために吉田松陰を河原に連れて行く時、地面に足がつかなければいいと、おんぶして行った話が出てきます。地雷実験のときだったかどうかはわかりませんが、自宅蟄居で謹慎の身にあった吉田松陰は外に出られないが、地面に足がつかなければ大丈夫としておんぶで外に連れだした話は確か本当だったはずです。
どの書籍だったかは忘れてしまいましたが、実際に河原で軍事訓練を行うためにそのようなことをしていたと確かに明記されていましたし、それを読んだ記憶があります。まぁ、ずいぶん都合のいい解釈だなぁwと思いつつも、なんだか松下村塾内での和気あいあいとした雰囲気を想像しながら笑みがこぼれたのを覚えています。
>> 松下村塾のリアルな実態・吉田松陰の教えと生々しい教育方針
>> 第14話「さらば青春」へ続く
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