NHK朝ドラ「マッサン」の重要舞台の一つが大阪にある山崎です。阪急電鉄の大山崎という駅がありますが、その周辺には現在のサントリーの山崎蒸留所があります。もちろん、ここはマッサンのモデルになった竹鶴政孝がウィスキー製造に関わった場所であり、ドラマの中でも重要な舞台となってくる場所です。
余談ではありますが、この山崎という場所は大阪府に位置していますが、京都府との県境に近く私はこの場所を資料を読むまでずっと京都府だと思っていました。大山崎の近くには長岡天神駅があるので、勘違いしやすい土地柄です。
サントリーの山崎蒸留所の公式サイトもあって、施設内の様子や見学も可能なことが記されています。ウィスキー好きの方や、ドラマファンの方が今後工場見学を申し出る人が増えてきそうですね。
竹鶴政孝(亀山政春)と山崎の関係
山崎は竹鶴政孝が寿屋に入社し、ウィスキー製造を始めた際に蒸留所を建設した場所です。寿屋はドラマ内では鴨居商店として描かれており、堤真一さん演じる鴨居欣次郎がその社長を努めます。史実では寿屋の社長は鳥井信治郎という人物がいました。名前の通り、堤真一さんが演じる役柄は彼がモデルです。
竹鶴政孝が入社した当時、寿屋はワインの販売で成功しており、その社長だった鳥井は日本初のスコッチウィスキーの蒸留所の建設に息巻いていました。また、それを実現させる潤沢な資金と野望を持っていた彼との出会いは竹鶴政孝の今後の運命を大きく左右します。寿屋に入社した後、様々な議論の結果山崎という土地に蒸留所の建設を決めたのです。入社時の取り決めでは「ウィスキー製造は竹鶴に一任する」という両者合意の取り決めがありました。
なぜ山崎という場所を選んだのか?
竹鶴政孝はかねてから蒸留所の建設は北海道がふさわしいという持論を持っており、ウィスキー製造を一任するという取り決めはあったものの、その意見は通りませんでした。その原因は輸送費で、北のはずれに位置する北海道で輸送費かさみすぎるという一点で鳥井は北海道建設に同意しなかったといいます。その点、山崎は陸上交通の要所に近く、水質の良さなどウィスキー製造に適した条件を持っていました。
このように、山崎が完全に妥協した場所であった訳でもなく、山崎を選んだ明確な理由が他にもあります。竹鶴政孝本人の自伝から簡単に紹介すると、
- 空気のきれいなこと
- 付近に川のあること
- 夏でも余り湿度が上がらないこと
- ピート地帯であることなど
※ウイスキーと私のP82より引用
が上げられている。ピート地帯というのは野草などの植物が炭化してできた泥炭のことで、石灰の一種だとか。この辺りは専門知識ですね。(難しい!)
現在はサントリーの山崎蒸留所に
photo by wikipedia
寿屋は後に1964年、東京オリンピックが開催された年にサントリーと社名を変更し、現在に至ります。つまり、竹鶴政孝はサントリーの一社員として働いていたことにもなるし、さらには堤真一演じる鴨居欣次郎はサントリーの創始者でもあります。後に竹鶴政孝は独立して北海道で蒸留所を作りますが、この2人は強い信頼関係を結んでいたのです。
現在の山崎蒸留所はまだまだ現役で稼働中です。また、工場見学や施設見学、勉強会など様々なイベントが行われており、地域に溶け込んだ企業として責任を果たしています。見学は前日までの事前予約制になっており、平日でも満席となるなど活況を呈しています。
さらに詳しい情報はサントリー公式サイトからどうぞ。
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