NHK朝の連続テレビ小説、マッサンには原作はなく、羽原大介さんによるフィクション脚本です。マッサンのモデルになっているのはウィスキー作りの先駆者である竹鶴政孝さんとその妻、竹鶴リタさんです。しかし、あくまでこのモデルは「題材」としてのもので、マッサンという作品自体はフィクション。
話しの展開やあらすじは羽原大介さんによる脚本で進められてていますが、9月下旬の放送開始とともにその脚本がノベライズ化され、朝ドラ・マッサンの原作小説として発売中です。
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NHK朝ドラ・マッサンの原作脚本がノベライズ化で発売
最初みたとき、買おうかなぁ~どうしようかなぁ~とかなり迷いました。せっかく朝ドラを楽しく見ているのに、話がどう進むのかを先に知ってしまと、そこで満足してしまって興味を失うんじゃないかと。ドラマや映画が好きな人には2種類いて、とにかく先を知りたい人と、ネタバレ大っ嫌い、楽しみに放送を見るというタイプがいますよね。
私はどちらかと言うと後者のタイプだったのですが、そこにマッサンの原作があるのに手を取らないという葛藤の末ついに敗れ、Amazonでポチってしまったのです(笑)以下、この本の目次構成です。第4章以降、リンク先で詳しいあらすじとネタバレ記事もご覧いただけます。
- 第1章 鬼の目にも涙
- 第2章 災い転じて福となす
- 第3章 住めば都
- 第4章 破れ鍋にも綴じ蓋
- 第5章 内助の功
- 第6章 情けは人のためならず
- 第7章 触らぬ神に祟りなし
- 第8章 絵に描いた餅
- 第9章 虎穴に入らずんば虎児を得ず
- 第10章 灯台下暗し
- 第11章 子に過ぎたる宝なし
- 第12章 冬来たりなば春遠からじ
半年間の朝ドラの前編
朝ドラは1クール半年という長丁場のドラマですが、ノベライズされた原作脚本は上巻・下巻に分かれています。2014年10月現在で発売されてるのは上巻の方で、年末あたりに下巻が発売されると思います。
上巻には第12週まで、放送日でいうと12月中旬あたりまでのあらすじが収録されています。思っていた以上に話しの展開がゆっくりで、上巻終了時点でやっと山崎蒸留所が完成したところです。これから山崎蒸留所であくせく働き、後に北海道で独立を果たしますが、後半はわりと急ぎ足で話が進んでいくかもしれません。
文学作品としての完成度は低い
私はマッサンだけでなく色んな小説や文学作品を読みますが、はっきり言ってマッサンの小説は文学作品としてはちょっと微妙です。一つ一つの描写、感情の移り変わり、リアリティなど、どれをとってもそれほどレベルが高いものではありません。
しかし、ドラマの脚本としてはこういう少し淡白な感じなのかなぁとも思いますし、もともと作家さんが書いたものでもなければ、小説でも文学作品でもないです。まぁこれはドラマの脚本としてはこれで正解なのかな、と。小説好きの人には少し物足りないでしょうが、マッサン好きの人であれば楽しく読めると思いますよ。
自分の頭のなかで出演者の芝居が映像化されていく
どんな小説を読んでいても、想像力を駆り立てて頭のなかで映像化しながら読むのが楽しみの一つ。このマッサンの原作脚本を読んでいると、出演者と役柄が強く結びつき、頭のなかで芝居をする様子が映像化されていきます。
だから自分の頭のなかではマッサンのストーリーがどんどん進んでいって、実際に放送されているのはどこまでだったか、どこまで放送されたのか分からなくなる時があります。原作脚本でイメージした映像と、実際の芝居を比較しながら見るのも楽しいですし、役者がどんなアドリブでセリフを加えているのかを見るのもいいですね。
マッサンの公式ガイドブックもあるよ
こっちは出演者の詳しいインタビューを始め、製作陣のインタビューや裏話、撮影現場の裏話が満載。主題歌を歌う中島みゆきさんのお話とか、オープニングの映像制作の話とか、時代考証の話とか、外国人の役者に向けた英語と日本語の通訳の話とか、ドラマだけでは見れない裏側が垣間見れます。
特に各役者が自分の役柄について、特にエリーやマッサンに対してどう考えているのか、それを役者である自分がどう理解しているのかをよく話されています。役者さんが自分の役柄とどう向き合っているのかが見えて結構面白かったですね。こんなふうに考えて演技しているのかぁーと勉強になりました。
原作脚本を読むのは嫌だって人はこっちの本を読むとあらすじを知ること無く、よりマッサンを楽しめるんじゃないでしょうか?
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