大河ドラマ花燃ゆの原作ノベライズ本の第二巻が発売されています。第一巻に続いて、前半部分を主人公の杉文以上に物語の中で存在感wの示してきた吉田寅次郎がついに処刑され、幕末の動乱にいよいよ松下村塾の塾生たちが身を投じていきます。
歴史の流れがをある程度理解している人と、そうでない人では理解度が異なると思いますが、作品としてどういう流れあらすじが進んでいくのかという点と、その感想について雑感を述べたいと思います。
花燃ゆ・原作小説第二巻のあらすじとネタバレ&感想雑感
ノベライズ本の第二巻に収録されているのは第13話~第24話まで。物語は一気に加速していき、物語上きわめて重要な場面が数多く登場してきます。基本的には、長州の塾生を中心とした攘夷派志士たちの動きとそれに翻弄されながらも健気に生きていく女たちとのコントラストがより重要視されている印象です。
基本的に、松下村塾で教える吉田寅次郎のもとに安政の大獄で処分が下り始める頃~新選組による池田屋事件(吉田敏麿がここで死亡)が起きる直前までが収録されています。この中には、坂本龍馬の登場、新選組の登場なども含まれており、いよいよ幕末の人気役者がそろい始めるといったところ。
第二巻で登場する重要なシーンを挙げると、以下のようなものがあります。
- 恩師寅次郎の「狂」に翻弄される塾生と周囲
- 吉田寅次郎、江戸召喚と安政の大獄による取り調べ
- 吉田寅次郎処刑
- 桜田門外の変
- 英国大使館焼き討ち
- 下関外国船砲撃事件
- 奇兵隊創設
- 久坂玄瑞と浮気相手の辰路
- 八月十八日の政変
- 久坂玄瑞と文夫婦に久米次郎の養子縁組
こうして列挙してみるとお分かりの通り、主人公の杉文が歴史的に重要な事柄を主体的に行動を起こしていくことはほぼありません。全てその周囲にいる人間たちが起こしていく行動に合わせて物語が進んでいき、それに対して文を筆頭とする家族が振り回されてどう受け入れていくかに焦点が当てられています。
文の苦悩と涙がどんどん多くなる
「大河ドラマなのに女性の涙ばかりってどうなのよ」という声が聞こえてきそうですが、文の涙と苦悩がこれからどんどん増えていきます。
「これが皆が言う攘夷なんですか?教えてつかーさい!」的な展開ですね。
ちょっとドラマドラマした展開になりがちですが、まぁこれは仕方ない。第5話で寅次郎の友、金子重輔が死去したときの「志の果て」であったような、文と寅次郎が直接対峙するような迫力のある演技で映像化されることを期待しましょう。
吉田寅次郎の処刑シーンがない…
本を読んでいて一番びっくりしたのが、寅次郎の処刑シーンが描かれていないこと。処刑当日に寅次郎が書き残した留魂録を沼崎という男に託したところが最後で、遺髪などの形見をもって小田村伊之助が杉家を訪れるというだけです。今までもそうでしたが、視聴者が一番見たいところを見せずに他のところにフォーカスされがち、という事が多いので今回も不満の声があがるかもしれません。
どうせなら直接的なシーンで寅次郎の最後が見れるかとおもっていたので、これは正直面食らいました。この辺りも、文章で見るのと映像化されたものを見るのとでは印象が違うでしょうから、どんな雰囲気に仕上がっているのかが楽しみです。
伊勢谷松陰なしで、花燃ゆはこの先大丈夫なの?
松下村塾での松陰先生全盛の時を見ていると、この先井上真央だけでやっていける!?と心配な声も聞こえてきそうですが、それは杞憂に終わりそうです。なぜなら、伊勢谷松陰が亡くなってからは塾生たちがどんどん存在感を高めて物語を引っ張っていくからです。
文の夫、久坂玄瑞はもちろん、高杉晋作の成長は目覚ましい。さらに小田村伊之助、そして杉家の面々がそれを支えてスパイスを加えていきますから案外吉田松陰がいなくなっても、いないなりに成長する役柄が出てくるものです。個人的には、政変で京を追い出されて元気をなくしていく久坂と対比するように、高杉晋作の暴れ牛度合いがどんどん増していく姿が今から楽しみです。
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