流星ワゴン・原作小説のあらすじとストーリー&感想レビュー

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12月、息子の模試があったあの日に戻る

妻は大学時代お世話になった教授のお葬式に行くと言って家を空け、そして息子の模試があった12月のあの日に戻ってきます。38歳のチュウさんも、もちろん一緒。チュウさんと一雄の親子が険悪になるまでに至った経緯と、互いの心の本音がここで交錯します。挫折に打ちひしがれて苦悩する息子に、何も気づけず無責任に励ますだけだった過去の自分をやり直そうとするが、どうも上手くいきません。チュウさんも、未来が決して自分の臨むようなものばかりでないことを知る。子供というのは残酷であり、宏樹の口から発せられる無邪気な一言が、チュウさんの心を締め付けます。未来の自分は、子に嫌われ、孫にも好かれていない。

一雄は妻との関係をやり直そうとするが、この時点で既に、息子と夫への関心が薄れ始めていることを改めて知る。この後の家族がどうなるのか、お前が何をやっているのか、全てを知っているとも、やはり言えないまま。

 

ワゴンで健太くんの小学校に

再びワゴン。健太くんが通っていた小学校に行く。そこで、橋本親子が実の親子でないことを知らされます。再婚した妻の連れ子にとっていい父親になるため、頑張り続けた父でしたが、頑張れば頑張るほど健太くんは懐こうとせず、義理の父を邪険に扱ってきた後悔。そして、運動神経が鈍い父に「ドライブに行きたい」と無茶な要求を口にし、自己を引き起こした後悔。

ワゴンに戻ると、死期が迫った父、チュウさんの姿があります。父にとって、主人公の一雄にとって、2人にとって大切なあの日にまたしても戻ります。

 

父のチュウさん、健太くんと共に、息子宏樹の受験の1週間前に戻る

戻ってきたのは、1月。息子の宏樹の受験1週間前のあの日。得意先の会長が亡くなり、勤め先が再編に継ぐ再編で大口の取引先を失い、リストラのきっかけになるあの日に戻ってきた。このとき、健太くんも一緒に現世に戻ってくる。

その日、息子の宏樹は公園にいた。人目につかない公園の一角で、ミリタリーショップで買ったY字のゴムがついたパチンコで玉を飛ばし、ペットボトルに打ち付けていた。そのペットボトルには、同級生の名前と共に、両親の名前もあった。父が知らない、息子の姿がそこにはありました。既に、いじめが始まっていました。友人の遊びの誘いを、受験があるからと無下に断り続けた結果、友人たちの反感を買った。そして、受験に失敗して同じ中学にす進むことになって、いじめはよりエスカレートしてしまった。この未来をなんとか変えるため、一雄が出来る事を全てやり切る。

妻には全てを打ち明け、浮気をしていることを知っていることも、これからどうなっていくかも、全て宣告する。息子の受験が失敗したら、公立の中学校でいじめがエスカレートする。そして、息子は学校にいけなくなる。だから引越の手続きも行った。戻ってきたこの日に、やれることは全てやり切った。

 

ワゴンで事故現場とチュウさんが入ることになるお墓に行く

再びワゴン。健太くんは現世でママに会いに行ったが、そこには再婚し赤ちゃんを抱く母の姿にショックを受けてしまいました。父の説得を受け入れ、ついに覚悟を決めて、自身を成仏させるため、父のもとを離れる。

死期が迫った父、チュウさんは覚悟を決める。棺桶に入れてほしいもの、最後に話しておきたかった息子との会話、チュウさんはチュウさんなりに後悔なく生涯を終えるため、やれることをすべてやり切る。しかし、息子である一雄の命がどうなるのか、このまま死ぬのか、生きてこの世に戻れるのか、橋本さんに強く迫る。そして、結末を迎える。

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