結婚して夫婦になると、喧嘩の理由がほとんどお金と言われます。夫のギャンブルや無駄遣い、妻の浪費癖…そのお金に対する価値観を何とか埋め合わせようとするも、結局喧嘩が増えるだけ。売り言葉に買い言葉で完膚なきまでに叩きのめしてしまうこともあるでしょうし、叩きのめされることもあるでしょう。
私が思うに、夫婦間のお金の問題はお金にある訳じゃないと思っています。夫婦の家計管理で喧嘩が増える本当の原因は「お互いがお互いを本当に信頼していないから」です。
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夫婦間のお金の価値観が問題に?無駄遣いや浪費癖で喧嘩が増えてしまう本当の理由
お金の不満というと、夫の稼ぎが少ない不満、自分は好きに使って相手は小遣い制、貯金がないなど、色んな背景があると思います。そのほとんどの共通の原因は、家計がオープンになっていないことです。なぜ出来ないのでしょう?なぜ無駄遣いが減らないのでしょう?
心理学的に言うと、自分のお金のことを相手に正直に話すことは最高レベルの自己開示です。確かに、それほど仲がいい訳じゃない相手に自分の収入や貯金の事なんて言いたくないですよね?そのことを包み隠さず話せる関係というのは、信頼関係の証なのです。それが夫婦で出来ないということは、本当の意味で自分をさらけ出す勇気がないか、相手を信頼していないか、どちらかです。
夫婦の稼ぎでも「私のお金、相手のお金」の意識が抜けないまま
よくあるのが、「自分のお金」と「相手のお金」と縄張り意識が非常に強くなっていることです。夫婦で生活を営み、子供がいるなら子供を不自由なく育て上げて幸せを享受する。そしてそれを長く維持していくのが家計の目的ですが、自分の貯金、相手の貯金、自分のお金、相手のお金と完全に意識が分離してしまっている。
この意識の一本化のためには先ほどの自己開示(家計のオープン)が必要不可欠ですが、その自己開示が出来ない、したくない、知られたくない、というのは、互いの信頼関係が潜んでいる訳です。ここを解決するには、同じ目標を持ち、同じ行動計画を持ち、お互いが運命共同体である「当事者意識」を持つことです。相手が話してくれないなら、自分から話すしかありません。自己開示です。
お金の問題につながる夫婦間に潜む意外な問題
ひょっとすると、夫が家計のお金に手を出してしまったのは、自分の小遣いから必要経費を出しているからかもしれません。散髪やYシャツの購入、平日のお昼ご飯など、必要経費を小遣いから出しているので、実質自分が自由に使えるお金が極端に少なく、それでストレスが爆発してしまったのかもしれません。
妻が化粧品やブランドバッグを買いこむのは、夫のみ下した目線と対等でない関係を、自分が綺麗になることで埋め合わせしようとしているのかもしれません。いずれにせよ、夫婦のお金の問題というのは、実は全く別の所にあったというケースが非常に多いのだそうです。
夫婦間のお金の問題が顕在化するのは、実は別の所に問題があるから?
NHKの朝の生活情報番組、あさイチの女性ディレクターと家計再生コンサルタントの方が共著で出版した「NHK「あさイチ」お金が貯まる財布のひみつ:不安がなくなる貯金の極意」という書籍によると、
お金が貯まらないと嘆く家庭に「夫婦別会計」が群を抜いて多い
とあり、さらに
別会計の夫婦には、自分のことは棚にあげて相手に多く求めてしまう傾向が見受けられる
とあります。さらにさらに、
なぜか金銭管理能力とは別のところに家計の足を引っ張る「気持ちの隙間」が潜んでいて、本人たちが気付いていないことが多いのです。
そこに気づいて、お互いで保管していこうとすれば、夫婦の貯金力がぐっと上がります。
極めつけは、
そして、一番大事なのが、夫婦の話し合いです。お互いを信頼して、壁を作らずお金のことを本音で話し合うべきです
とあります。もう、ぐうの音も出ませんね(笑)
要は、夫婦間でお金の問題で喧嘩が多いのは、実は別の所に問題があって、気持ちのすれ違いやストレスが潜み、それが家計という所に表面化している、ということ。
話し合いの実例と成功例、夫の変貌ぶりが収録された本
さきほど紹介したNHK「あさイチ」お金が貯まる財布のひみつ:不安がなくなる貯金の極意という本ですが、私が今まで読んできた家計管理本の中で一番内容が深かったです。
特に夫婦間でお金の価値観で喧嘩が多い夫婦には、是非読んでほしいと思います。家計のお金にまで手を出していた夫が変貌した実例や、話し合いを円滑に進めるテクニック、夫婦間に潜む本当の問題など、夫婦でお金の問題を抱えている人は学ぶところが多いと思います。
最も理想敵なのは、今自分たちにどれぐらいのお金があって、これから先どういう事の為にどれぐらいの貯金が必要で、そのために毎月どれぐらいの予算で生活し、互いが自由に使える小遣いがこれぐらい、そのためにどういう仕組みを作るかが夫婦間で共有することです。
今月の家計の収支と貯金の額、目標までの距離などを共有して、お互い不満を聞きあって修正を繰り返す。まぁ、それが出来れば苦労はしません!と言われそうですけど(笑)
節約節約やギュウギュウに管理した家計管理は家族を幸せにしない
家計管理の目的は、家族の幸せを維持するためです。いくら将来の為、マイホーム購入のためといえど、10円20円の節約で家族がギクシャクしては意味がありません。
私が節約や家計管理の本をいろいろ読んできて思う事は、使うべきところは気持ちよく思いっきり使うことです。逆に、削るところはしっかり削る。自分たちがどこに、どれぐらいのお金を使うのかを夫婦間ですり合わせ、それを共有して、必要なお金はしっかり使う。
自分たちが楽しむお金は思いっきり使う。使う所と削るところのメリハリをつけることの重要性は身にしみて感じます。そうでないと、必要な出費さえも嫌な気分で支払い、誰も幸せにならないのでね。
いや~、お金って難しいね。